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baccalaureat (le) [フランス]

baccalaureat バカロレア(大学入学資格試験

ニュースや会話ではよく略されて”BAC”(バック)と呼ばれる。

 2004年2月,フランス中で全国の高校生(Lycéen)がデモをした。その数10万人超。一部の発表では25万人。高校生の3分の1が参加したらしい。デモの原因は政府の提出しようとしたバカロレア改革法案。政府は結局,このデモの結果,法案を引っ込めるはめに陥った。

 このバカロレア、高校3年の時に受けるフランスの「大学入学資格試験」のこと。「資格」なので同時に高校卒業証の役目もある。日本で言うところの「センター試験」みたいなもんか。大きく違うのは,「センター試験」の場合、点数によって(2次試験があるが)志望大学が決まってくるが、バカロレアは基本的に「合格」か「不合格」(全科目の平均点がよければ高等教育のハイレベルクラスに入りやすくことはあるらしいが)で,高等師範学校や理工科大学校などのエリート養成学校(グランゼコール)でない「大学」になら、原則先着順でどこへでも入学できる(現実は定員の関係があってなかなかそうはいかないらしいですが)。合格・不合格のみとはいえ、点数はつく。1科目20点満点。合格率はコースや年によって異なるが,5割強~6割程度。1次合格しなかった人用に追試があり,その合格者も含めると7割くらい。

 この試験,くせものなのは,ほとんどの試験問題が論述式もしくは実技・口答式。そのため,客観評価といいながら,試験官の裁量がどうしても大きくなり、バクチ的要素があることも否めない。

 また,科目数が多い。日本でいう高校2年の時に国語(フランス語)と外国語の試験があり、残りは3年の学年末、つまり6月に行われる。このとき受けるのがコースにもよるが、10科目(言語をあわせると12科目)必修。しかも哲学というクセモノの科目がどのコースでも必修となる。高校が面子を保つためにバカロレア合格率を高めるために落ちこぼれ生徒にはバカロレアを受験させないということも横行している。また、職業リセという職人養成高校のようなものもあり、そこで受験する職業バカロレアというのもある。こちらはまったくの実技。たとえばパン屋コースならパン焼きの実技試験となる。

 で,このバカロレア試験,問題山積なのは当事者の高校生も政府も世間も認識している。歴代の教育大臣は改革案を出すが,なかなか実現には至っていない。現在のフィヨン(François Fillon)国民教育相が2004年に打ち出した改革案は必修科目が半減させるなどが主体(政府には科目数を減らすことで試験コストを削減しようという思惑もあった。)で,科目数が減るということには当事者の学生も世間も,まあ歓迎していた。
 が,法案としての骨子が固まった2005年の1月から風向きが変わってきた。科目数が減るというのはそのままだが、平常点(日本でいえば内申点みないなもの)が導入されることになったのである。これでは客観評価にならないとデモをしているらしい。現状でも試験官の裁量によって合否を判断されるよりはましとづかは思うのだが。
さらに,現在のバカロレアは地域によって同じような回答でも「点数の甘い地域」と「点数の辛い地域」があって,不平等があるといわれる。これを是正するために地域偏差が設定され,現在の「点数の甘い地域」や大都市郊外などの「荒廃地区」の受験生は不利になるという噂(政府はそんなことないと打ち消していたのだが)も相まって,今回の大規模なデモとなった。

 まあ,教育制度はいつの時代もどの国でも議論が大きく、フランスのバカロレアもそのひとつといえばひとつだが、今回の騒ぎは、その試験制度そのものよりも、当事者の高校生がフランスではいざというときには結集するという点で日本とはだいぶ違うなと感じる出来事であった。


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